pH次亜水とはWhat’s pH Hypochlorite Water?

殺菌を目的とした pH次亜水供給システム

従来の次亜塩素酸ナトリウム水(200ppm)
殺菌力を更に高める!

次亜塩素酸ナトリウム水の殺菌力を
より多く引き出すことが可能となるため
従来より低濃度で同じ効果がえられます。
そのため人体や品質に影響が少ない、
より安心・安全な
食品殺菌洗浄が実現できます。

pH次亜水供給システムの3つのメリット

  • 殺菌力アップ
    次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)よりも殺菌スピードが速く、身近に存在するあらゆる菌やウイルスに対応できます。
  • 高い安全性
    中性に近い弱酸性pH6前後に調整することで、人体に無害かつ環境にもやさしく、有機塩素化合物を生成しないため塩素臭はほとんどなく、あらゆる食品製造の場面で活用いただけます。
  • 自動調整で安心
    殺菌水供給装置に標準装備された残留塩素・pH・温度計(UFC-300Z)によって、連続モニタリングはもちろんのこと、各種警報出力等の安全機構がより強固になりました。
    流量が変動しても設定した次亜濃度とpHを自動調整することにより常に安定した殺菌水が供給できます。

そもそも、
pH(酸 vs アルカリ)ってなに?

一般的に使用される200ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液の液性はアルカリで、酸性やアルカリ性を表すpH値の範囲は8~9程度となっています。ただしアルカリ性であるため皮膚への刺激性が強く、更にトリハロメタンに代表される有機塩素化合物の生成による臭気など作業環境悪化の問題がありました。
pHとは正式には水中の水素イオンと水酸イオンの比率を対数で表したもので、pH7が水素イオンと水酸イオンが同じ比で存在する「中性」と定められています。
それより水素イオンが多く存在する領域を酸性とし、反対に水素イオンが少ない領域をアルカリ性と定めています。
味覚的に、酸性は「すっぱく」感じ、アルカリ性は「にがく」感じるのが一般的です。

次亜塩素酸ナトリウムと
pHの関係について

次亜塩素酸ナトリウムは安定剤として強アルカリ成分が含まれるため、200ppmではpHが8~9になり、次亜塩素酸イオンの存在比(青色)が高くなり殺菌力はあまり強くありません。また濃度を高めに設定すると薬液コストの上昇や食品の劣化、塩素臭の残留などデメリットがあります。
次亜塩素酸ナトリウム溶液のpHを酸を加えて下げると、次亜塩素酸分子の存在比(黄色)が高くなり、殺菌力が著しく向上します。ただし、酸を加えてpHを4以下にすると猛毒の塩素ガスが発生し始めます。塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると危険な理由はこれです。

そこで考案されたのが、殺菌力が高く、pH調整剤の消費量が少ないpH6前後に調整した「pH次亜水」です。この「pH次亜水」によって十分な殺菌が可能になり、品質劣化も抑えることが出来ます。※「pH次亜水」はメーカー各社が独自の商品名を付けていますが、食品衛生法の基準に合致させる必要上、成分が異なることはありません。
弊社では「pH調整次亜水」を「pH次亜水」と呼びます。pH次亜水はどのメーカーでも同じ内容なので、現場に適した「pH次亜水」供給装置を性能、信頼性、価格等から選択することが望まれます。

※pH調整剤について
pH調整剤は食品添加物として認められているものであれば任意に選ぶことが可能です。弊社ではそれぞれの特長から以下の代表的なpH調整剤①~③を推奨しています。
  • ①クエン酸⇒クエン酸次亜水
    ・・・コスト高ではあるが、安全性が極めて高く、取扱いが容易である。小規模ユーザー向き。
  • ②酢酸⇒酢酸次亜水
    ・・・・・・・コストは比較的低いものの装置への腐食等があるためメンテ費用が高くなる。大規模ユーザー向き。
  • ③炭酸ガス⇒炭酸次亜水
    ・・・・・コストは低く、安全性も高いpH6.0以下に下げることには不向き。大規模ユーザー向き。
その他乳酸(コスト高)、塩酸、硫酸などがあります。

pH次亜水の高い殺菌力

「pH次亜水」の殺菌力が高いのは細菌の細胞壁を透過しやすい次亜塩素酸分子(HClO)の存在比が高いからです。
次亜塩素酸ナトリウムを希釈しただけでは次亜塩素酸イオン(ClO- )の形になり、細胞壁を透過するのが難しいことが、「pH次亜水」の殺菌力が高い事の理由です。

つまり、次亜塩素酸は菌の細胞壁を破壊することが出来ませんが、次亜塩素酸分子が菌の細胞壁を透過し、菌の内部に侵入した時、呼吸系酸素を阻害することで菌の活動を停止させ、殺菌するものと考えられています。

実証実験の結果

pH次亜殺菌水50ppm(pH調整した殺菌水)は次亜塩素酸ナトリウムを希釈した200ppmと同等以上の殺菌効果があります。下記は白菜の刻みをpH次亜殺菌水と次亜塩素酸ナトリウムを希釈して200ppmにしたものの殺菌効果を比較したものです。

殺菌水の種類 白菜の部位 一般生菌数
pH次亜水
50ppm
(pH6)
内葉 殺菌前 1.7×106
殺菌後 6.9×103
外葉 殺菌前 2.2×106
殺菌後 6.2×103
次亜水
200ppm
内葉 殺菌前 1.1×106
殺菌後 2.5×104
外葉 殺菌前 1.8×106
殺菌後 1.3×104

pH次亜水供給システムのフロー

pH次亜水供給システムのご紹介